こわい物知らず、親知らず

私・夫・お嬢・坊や。4人家族の日々のこと。

ママの親知らず抜歯 第2章 抜歯十七日目〜一ヶ月後

抜歯から十七日目。

 

歯茎の穴のガーゼを詰め替えてもらい、

徐々に食事を普通に取れるようになってきて、喜びを感じていた。

 

抜歯以来、しばらく疎遠となっていた地元のパン屋へ向かった。

ここのナッツがザクザク入って、外パリ中フワのちょっとハードめなパンが大好きなのだ。

そろそろ、このパンも右の歯を駆使すればいけそうな気がする!

 

来店した際、待っていてくれたかのごとく、ちょうど焼きたて。

これはもう、車の中で待ちきれず食べてしまうパターンだ!憎いやつめ!

 

私は、無理くり、太めのバトン状のパンを食べまくった。

ああ、うまい。噛めば噛むほどうまい。

 

入れ歯の接着剤のCMで、

「噛める喜び!」といいようなことをよく聞くが、

いまなら、CMターゲットのシニアの気持ちがとてもよくわかる。

もう噛めないと出かける気にもならないのじゃよ。

 

その時、口の中に違和感。

ガーゼ、出てきてる…

しかも、だいぶ、ピロピロと長い…外れそう…

 

絶望感。ハードパンをモッシャモッシャと貪った自分に大後悔である。

一日で、もうダメにしてしまうなんて、

どうして私は、食の誘惑に弱いんだ!!バカバカバカ!

 

上顎やら、手前の奥歯やらに、ガーゼの端がまとわりついて、何も集中できない。

 

そして、抜歯十八日目。

ついに、朝の歯磨きの時に、スポンっとガーゼが完全に外れてしまい、

慌てて、病院に行くことになった。

もう、行きたくないよ、、、

 

タンタンメン先生に、

「すみません…度々…」と謝りつつ、診てもらう。

 

治ってきているから、歯茎が盛り上がってきていて、

ガーゼがもう入らなくなってきている、

と言う。

 

そうか、そうだったのか、

あまりに丁寧にガーゼを詰めてくれたから、

最初は褒めたけど、

ぎゅうぎゅうにし過ぎたせいで、ポーンと出ちゃったんじゃないかと、

心の隅であなたのせいにしていたよ。ごめんなさい。

 

そんなわけで、ガーゼは入れずに、様子を見ることになった。

 

ガーゼの支配からの卒業…!!

 

尾崎豊の卒業が、私の中を流れ始めた。

もう大人なので、感情高ぶって窓ガラスを割ったりはしない。

 

歯茎の穴が放置されることは、若干不安はあるが、

左側から憑き物が落ちた感覚である。最高だ!

 

ガーゼがなくなったと同時に、

頭痛、頬骨・耳の痛みは気にならなくなってきた。

異物に、左半顔も過剰反応していたのだろうか。

 

抜歯十九日目〜二十九日目

途端に全てにおいてやる気が出てきた。

 

この夏、放置していた本を読み始め、

ドレスアップして食事会に出かけ、

ベリーダンスのレッスンにも行った。

 

やりはじめることが、突然で、極端すぎる。

左歯茎も、ビビってるかもしれない。

 

痛み止めは、徐々に飲まなくても平気になった。

 

食後は、歯茎の周りが何となく詰まっている感があるが、

水を大量に口に含み、ゆっくり大きく、グジュグジュすると良い気がする。

やっている時の顔の収縮、人様には見せられない。

 

運動後は、傷が熱を持つのか、少し痛い気がする。

運動もパンも、まだまだハード系は要注意だ。

 

子供に口が動くようになったか、心配をされるので、

ほら!こんなに開くようになったよ!

と、張り切ってみせた。

 

しかし、しばらくストレッチをしていなかった身体のように、

長時間はなんだかつらい。

 

何でも徐々に徐々に。

 

そして、抜歯三十日目。

一ヶ月がたった。

もうすっかり通常運行だ。

歯磨きも、固いものを食べるのも、痛みはもうない。

親知らずを抜いたことさえ忘れ始める。

痛みや辛さは忘れるのが一番だ。

反省して学んだことは、忘れないようこのブログに記載した。

 

どうか、親知らずを抜く人に、

ダメな例として、お役に立てますように。