こわい物知らず、親知らず

私・夫・お嬢・坊や。4人家族の日々のこと。

ママの親知らず抜歯 第2章 抜歯当日〜三日目

前回から一年後、左上下の親知らずを抜いた。


まず、この抜歯で学んだことは、

「子育て中の抜歯は、周りのサポートをもらうことが必須!」

「抜歯のベストタイミングを見極めよ!それでも子育て中は不測事態が起こるけど!」

「処方された薬を飲み終えても痛かったら、即病院へ!」

 

第1章から引き続き、反面教師としてご覧ください。


律儀な私は、前回の抜歯後、カレンダーアプリの一年後の週に、

「親知らず抜歯 予約する」

と入力していた。真面目か。

アプリは忘れずに、一年後の私に、通知をする。お前も真面目か。

 


第二子の坊やの卒乳は、すでに完了しており、

もう「痛み止めが飲める」の条件は満たしていた。

気は進まないわ、しらばっくれたいわだが、

応募条件クリアな上に、

左側のみに親知らずがいるアシンメトリー感がもう気持ち悪い。真面目なんだよもう。

自分を鼓舞しまくり、病院に予約の電話をかけた。

 


長女のお嬢は、一週間の保育園夏休みがある。今回はその直前に、抜歯をすることにした。

夏休み前半は大きな予定もない。

その間に顔の腫れが戻り、

後半の旅行に臨めるだろう。

タイミングに抜かりなし!と思っていた。

 


実際には、バッドタイミングであったことに、後になって気がつくのだ。

 

 

 

抜歯当日。

病院ではトントンと話も早く、診察台に座った。

先生は、前回とは違う人で、丁寧で淡々とした男性。タンタンメン先生と名付けた。

 


目の前の壁に、写真付きカレンダーがかけてある。

近所の有名な花火大会の、昨年の様子だ。

実はこの抜歯の日が、今年の花火大会だった。

 


抜歯後、大丈夫だったら、

大人しくしつつ外に出て花火を見よう!

と思いながら、診察台が倒れていく。

まずは、左下からである。

 


麻酔されてーゴリゴリされてーガリガリされてー引っ張られてー

しんどいけどそろそろ抜けるんだよなー

 


…と思っていたが、15分経ってもまだ抜けない。長い。

 


タンタンメン先生、

「はーい、ゴメンなさいー頑張ってくださいー疲れますよねー大丈夫ですかー?」

 


いえ、先生、

もう口を開けているのが辛い。

緊張で、身体に力が入って辛い。

背中とお尻が汗だくで辛い。

痛かったら左手あげてって言うが、

これはあげてもいいレベルの辛さなのか?

痛いのか?痛くないのか?どっちなんだい??

悶々考えいたら、腹の上に重ねていた両手の指を、

ウネウネウネウネ動かしていた。

セクシーに「カモ~ン」とする感じの動きである。

助手の看護師さん、さっと私の手を握り、

「大丈夫!?辛いよね?!」と励ましてくれる。

無意識の恥。私のカモンにすかさず来てくれてありがとうございます…

 


30分程経つ頃、

あ、なんかちょっと痛いかも?!これは満を持して手をあげてやる!

…と思った瞬間、

 


「はい、抜けましたよー」

 


やっと親知らずが粉々になって抜けた。左手は上げ損ねた。

 


しかし、つらい、、、

前回より強者の悪党が残っていたのか、、、

まだもう一本抜くなんて、、、

 


しばし、うがいのレストを挟みながら、

花火の写真に一瞥し、

…今日はもう見られないかもしれない…

と思った。

 


そしてすぐに上の抜歯スタート。

また長時間を覚悟したが、

10分もかからずに抜けた。

拍子も抜けた。

 


長丁場で精神的ダメージはあるが、

これですべての残党を退治したのだ。

なんとも清々しい!!

 


今は麻酔で痛みはない。

痛くなっても、今回は痛み止めを躊躇なく飲める。

飲みまくってやる!(※ダメです。正しく飲みましょう。)

もう数日後にはスッキリ生活だ!!

 


車で家に帰り、薬を飲み、おかゆを食べ、

しばらく休憩すると、

やっと、花火も見られる気力になってきた。

 


川辺の花火は、それはそれは美しく、華やかで、

戦から帰った私には、例年以上に感動的な景色だった。

 


ああ、ちょっと痛いけど、

私の夏は、始まったんだ。

ヒューーッ、ドドーン!パラパラパラ~

 


そんないい気分で、麻酔が切れる夜を迎えた。

 


痛いもんは痛い。

なかなか眠れない。

顔が痛くて横になりにくい。

痛み止めを飲んでもそんなもんなのか…

 


前回、最小限の痛み止めしか飲まなかった自分の無謀さを再認識した。

 

 

 

抜歯二日目。

よく眠れないまま、

傷口チェックに病院に行った。

経過は良好である。

 


先生、

「抜歯は、お盆休み入っちゃうんで、9日後でいいですか?」

 


盲点、お盆休み…!

まぁ経過がいいなら、問題ない。

 


診察後は、昼寝をし、

顔にマスクで、保育園にお迎えに行ったり、

公園で子供を見守ったりして過ごした。

薬を飲めば、痛みは大丈夫。

今夜こそは、しっかり寝よう。

 


しかし。

 


ヴァー!!ウッギャーー!!

 


突如、坊やの夜泣きが始まった。

普段、寝つきも良く、滅多に夜泣きすることもないのに、

なぜ、なぜ、なぜ今宵なのか!!!!

 


手を替え品を替え、場所を替え床を替え、

あやせどあやせど、泣き止まない。

 


やっと眠りについたと思ったら、

ウッギャーー!!

第二ラウンド…チーン。

 


これに加え、坊やは、

眠い時に、横になると、

私の襟ぐりをひっ掴み、腕をぐいぐい入れ、胸を触りたがる。

子供でなかったら、えらい事だ。

 


顔をうっかり殴られたら困ると思い、

腕を、志村けんの「あいーん」の形にし、

自分の顎全体を覆って避けた。

しかし、坊やは、腕を強引に押しのけ、

なんとか襟ぐりに手を突っ込もうと、体当たりしてくる。

 


バカ殿様ー!おやめくださいーー!

 


抱っこしている時は、

私の顔をめがけ、

スナップきかせて、手や頭を当てに来る。

眠ったとしても、寝相が激しいので、

足がどの角度から降って来るかわからない。

 


顔はやめな!ボディにしな!

金八時代の三原じゅん子のセリフを、坊やに捧げ続けた。

 


卒乳したら、抜歯してももう大丈夫と思っていたが、

一歳の坊やには、私の歯なんぞ関係ない。

かわいい我が子だから、仕方ない。

親知らずと言う名の、子知らずだ。

 

 

 

抜歯三日目。

朦朧としたまま、朝になった。

 


この日は夫が休みだったので、

全てを任せ、私は休養をした。

痛み止めは、3~4時間で効果が切れるが、頓服薬を飲めば大丈夫だった。

 


顔の腫れは、この時、MAXだった。

前回の腫れよりもひどい。

今回は、カバオくんではなく、宍戸錠だ。

左半顔・宍戸錠、現る。

 


トイレで鏡をみる度、

私の家族は、よく笑わずに、この顔と普通に喋ってくれるなぁ…

と感謝した。

 

続く。